ISSが米国証券訴訟和解額トップ100を発表
国際的な議決権行使助言会社として著名なの米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)はこのほど、米国における証券訴訟(クラスアクション)の和解傾向についてのレポートを発表した(こちらから入手可能)。同レポートによれば、2020年においてはコロナ禍の影響でクラスアクションのファイリング件数は落ち込んだものの、99件のクラスアクションにおいて和解による解決があり、和解額の合計は2019年を3%上回る32.6 億ドル(約3.52兆円)となった。これらのうち、上位4件である、①American Realty Capital Properties Inc.事件(和解額:10.25億ドル)、②First Solar事件(同3.5億ドル)、③Signet Jewelers事件(同2.4億ドル)、④SCANA Corporation事件(同1.925億ドル)は、ISSによる歴代和解額トップ100に加えられている。ちなみに歴代第一位はEnron Corp.事件(S.D. Tex. 2010、和解額:72.42億ドル)、第二位はWorldCom, Inc.事件(S.D.N.Y. 2012、同61.94億ドル)である。同レポートはまた、2021年に入ってからすでに、Valeant Pharmaceuticals International事件(同12.1億ドル)、Snap, Inc.事件(同1.875億ドル)の和解が報告されており、証券訴訟の損害回復という観点からは活発な状況が続くと述べている。